また「奉仕」は、職人のような社会で存続していく。そう、おれがいた映画の現場もそれに近い。ある一定の人たちが技術を独占し、それを伝えていくのは時間がかかるので「奉仕」的な精神がないと存続しない。伝統芸能や工芸などがこれにあたる。そのような世界では、「奉仕 ...
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June 2023
小説「グッバイ!とてもツライけど」第十八日目 偽装3
もちろんエルビスはキングだし、ボブ・ディランだって神様だ。それでも彼らアメリカ人にとって、それはエルビスの歴史や、ボブ・ディランの長い経歴(過去の数々の出来事)の上に築かれている。ある年齢の日本人にとって、美空ひばりや石原裕次郎がそうであるように。おれ ...
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小説「グッバイ!とてもツライけど」第十八日目 偽装2
どちらにしても、映画の現場で当然おれは一スタッフにすぎなかった。そしてその態度「スタッフにすぎない。」というのが、あちこちに出てしまっていた。本業は音楽だからと、たかをくくっていた。そういうつもりはなかったが、やはり体や表情から染み出ていたのかもしれな ...
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小説「グッバイ!とてもツライけど」第十八日目 偽装1
おれが映画の仕事をやっていたときのことだ。偽装問題というのが、世の中では取り出されていた。ほら、本当は別の人が作った曲を、偽って自分が作って売ったりするやつ。アーティストとしては風上にも置けないが、ビジネスとしては分からないでもない。なぜなら、名前 ...
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